現在中国語を習い始めてから15年ほどが経ちます。就職.結婚.出産育児のブランク9年ほど除くと、さほど大した学習期間ではありませんが、最近翻訳をしたり、中国語のネット新聞を見る機会が増え、また中国の歴史や言語についての本や、翻訳についての書籍を読んだりするなかで、日本語の表現と中国語の表現の違いや、新たな面白さに気がつきました。
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例えば、日本語の誰が誰に何をするのかという主語や対象の省略と遠回しな言いかたですが、中国語では、ここが明白でないと、誤解を招いてしまいます。日本人であれば、たとえ省略されていても、常識で分かるので、省略していいのでしょうが、またその常識の範囲も中国人と差があるのです。驚く事に、中国人は大雑把である一方、ある面ではとても緻密なのです。今私が読んでいる「中国翻訳作法」という本の例をみると、非常に面白い例がありました。
小学校で、ギョウ虫検査の案内の用紙が配られました。日本語では次のように書いてありました。
『保護者の皆様へ ギョウ虫卵検査のお知らせ
- 朝、目が覚めたらすぐにピンテープを肛門のところにあてて5〜6回上から指強く押し付けて取ってください......(省略) 取り終わったら、提出日に学校へ持参してください。.....』
という内容ですが、ある中国人児童の母親はこの手紙を読んで、朝の出勤前の忙しい時間に慌てて、母親が小学校に持参してきたそうです。また、「これはうちの子供の肛門にあてて検査するのですよね?」という確認の電話まで(笑)。まず、日本人ならば間違える事はないでしょう。子供の検査をして、子供に持たせて提出する。これは、当然の常識だからです。それでも中国語ならば、次のような表現になります。
『各位家长 检查蛲虫通知
1. 这种检查法需要您做的是,清晨当您孩子一醒来时,马上把粘胶玻璃纸贴在孩子的肛门处,然后用手指在上面 略微用力按压五至六下,.....
都做完装好后,按指定日期让孩子拿到学校交给老师。........』
となり、下線部の箇所で必ず誰が、誰の、といった事を誤解の無いように、その都度明記しています。
参考:「中国語翻訳作法」
それとは対照的に、日本語はどちらかというと感覚的な繊細な表現の単語が充実しています。例えば、「痒い」痒いは、くすぐったいやこそばいや色々な表現がありますが、中国語は,ただ「痒」の一言です。
しかし、その反面、中国語は数字や空間表現、料理に関する表現は非常に細かく別れています。日本語では、ある月の二番目の日も、二日間という期間も同じように「二日」と言いますが中国語では前者は「二日(二号)」、後者では「两天」といいます。同じ二でも、分けられるのは「两」、分けられないものは「二」を使います。ですから、誤解の余地はありません。数字の読み方も、日本語は「1050」は「せんごじゅう」と言いますが、中国語は「一千零五十」(一千とんで五十)といいます。また、聞き取りで間違いやすい「一」(イー)と「七」(チー)ですが、「一」は(ヤオ)とも読み、聞き間違いのないように、使います。この他に、時間やスピードを表す言葉や料理に関する言葉は、とても緻密です。これも、中国の過去の歴史において、商業、軍事、政治的に揉まれてきたからなのです。
参考:「貝と羊の中国人」
今回、翻訳を通して色々な中国の歴史的背景や感覚の違いなどを学ぶ事ができました。ただ単に覚えるだけの学習とは、また面白さも違います。(更に困難を伴いますが...) 言語には、歴史や知恵や文化、その国の人々の性質などが反映されていています。ですから、言語を学ぶ上で、その国の歴史や文化を学ぶ必要もあり、又逆に言語からその国の人々の特性を知る事もできます。また、私に取ってそれ以上に大きな収穫は、翻訳を添削してもらう為に、中国人の友達や、中国語の先生とコンタクトを取る事が増え、それに伴い、自然と中国語を話したり、書いたりする機会も増え、また更により一層色々な語学情報を得る事ができたのことです。


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